出口(EXIT)戦略とは?なぜ出口戦略が必要なのか? | ゼロワン研究所

2020.9.10

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出口(EXIT)戦略とは?なぜ出口戦略が必要なのか?

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どうも、ケイティです。
すでに経営されている方であれば、出口戦略(EXIT)について考えていらっしゃる方もいるでしょう。

また、これから事業を立ち上げる方であっても出口戦略(EXIT)を頭に入れる事が大切です。

出口戦略と一口に言ってもいくつか種類があるのですが、その出口を知ってこそ経営の舵取りを大胆に、時には繊細に行うことができます。

ケイティ

「出口戦略のステップ1では、出口戦略の概要を掴んでもらいます。」

そもそも出口(EXIT)戦略とは?

上場数
引用:2019年IPOレビュー!(2019年を総まとめ:速報版):東京IPOより

そもそもビジネスにおける出口戦略は何かというと、その企業のベストな形で撤退するための戦略の事を言います
この出口戦略は経営者たるもの押さえておくべきものであり、出口戦略を知らなければ清算廃業・倒産と言った選択肢しかなく、それは企業として最適なゴールではありません。

ビジネスにおける出口戦略の選択肢としては、IPO・継承・廃業の3つが挙げられます。
IPO(Initial Public Offering)は、新規上場や新規公開株とも呼ばれており、投資家から資金調達をするものです。

しかし、IPOの難易度は非常に高く、恐らくこの読者の方々の対象ではないかと思います。
なぜなら、上場のためには多額の費用が発生するだけでなく、上場の為の基準をクリアしていく必要があるからです。

また、上場の件数としては年間で100件未満。もちろん上場を目指してもよいのですが、年間で上場できるのは100件未満という数字からも現実的ではないことがお分かりになるかと思います。

では、現実的な出口戦略とは?と問われれば「IPO・継承・廃業」の中の、継承です。

継承と言われれば、息子などに会社を継がせることを考えるかと思いますが、広義な意味の継承として、M&Aも含んでいます。

M&Aは買収側と売却側の双方にメリットが存在し、現実的且つ理想的な出口戦略になります。

ちなみに廃業は、お伝えしなくてもわかるかと思いますが、事業を停止することで、停止をするにもさまざまな費用や時間が必要になってきますので、経営者として最も避けるべき出口になります。

会社・事業の売却はネガティブなものではない

廃業や倒産が会社としてネガティブである事は、簡単に想像がつくでしょう。
では、事業を売却するというのは、ネガティブなものでしょうか?

出口戦略を知らない方からすると、事業の売却はマイナスなものと捉えてしまうかもしれませんね。
しかし、出口戦略としてその選択肢は決してネガティブなものではありません。

なぜなら、M&Aにはさまざまなメリットが存在するからです。そして、経営状態が良いうちに事業売却をするという選択肢も持っておくことをおすすめします。

前澤氏がZOZOを売却しましたが、売却で得たお金によって現在でもさまざまな取り組みを行っており、その活躍ぶりからも売却のメリットの一つが見えてきます。

事業の価値が高ければ高いほど売却によって多額の売却益が生まれ、売却益を元手にさまざまな新規事業をスピーディに立ち上げることができたり、税制上も優遇されているので、資金が残りやすい特徴があります。

また、上場企業に事業を売却したという実績は多くの人に評価され、次の展開時にプラスに働きます。

それ以外のメリットとしては、経営者の交代による会社の活性化が挙げられます。経営者と一口に言っても、得意なことはそれぞれ異なり、現在経営している会社が成功しているのは、事業の立ち上げがうまかったからかもしれません。

しかし、事業をこの先ずっと安定的に経営していくには別のスキルが必要になってきます。

売却によって、事業の継続が得意な経営者と交代することで、そこで働く社員の雇用は守られていきます。
このようなメリットがある事から、出口戦略としての継承(売却)はポジティブなものであると言えます。

なぜ出口(EXIT)戦略が必要なのか?

なぜ、出口戦略が必要なのか?そしてM&Aなのか?

現在世界中で新型コロナウイルスが話題になっていますが、感染症によって現在のような状況になるとは誰にも予測ができなかったはずです。

それぞれの会社もこれからどうなっていくか?という点において、10年後、30年後、50年後を予測できる人はいないでしょう。

また、このような背景と合わせて、アメリカではM&Aが出口戦略として一般的になっており、その流れは日本にも届いています。

さらに、売却益に関する税金について課税を繰り延べすることができるようになった事で、これからもM&Aによる売り手は増えていくことが予測されます。

M&Aの出口戦略が必要である理由としては、このような時代の流れや背景が存在しているという事が言えます。

ベンチャー企業と出口(EXIT)戦略について

ベンチャー企業の社長と言えば、IT業界をイメージされる方も多いかと思います。今は新しいサービスがどんどん生まれていますよね?

そして、革新的なアイデアが必要になってくるベンチャー企業の社長は、常に新しいものを生み出したいという方は多くいらっしゃいます。

M&Aという出口戦略によって資金を得ることができ、次の展開に活かすことができるのは、ベンチャー企業の社長にとっては相性が良いと言えるでしょう。

また、規模が大きくなるにつれて、社員の管理・リスクマネジメント・資金繰りなどやるべきことも増えてきます。

新しいアイデアをどんどんと生む事に仕事の価値を見出すベンチャー企業の社長にとっては、このようなことにストレスを感じてしまう事もあるかと思います。

ですので、新しいアイデアで世の中を変えていきたいという場合に、ベンチャー企業の社長は出口戦略をうまく活用していくべきであると言えます。

スピード感のあるM&Aと売れやすい事業について

M&A売却のために必要な期間は最低でも半年と言われていますが、売り手と買い手の双方がメリットを感じれば、売却までに要する時間は短くすることができます。

また、IR情報を公開するタイミングであったり、補助金まわりの都合がある場合などで、買い手の方で何等かの事情がある場合に、スピード感あるM&Aに繋がることがあります。

M&Aが成功する条件としては、売り手と買い手の双方がメリットを感じるかどうか?という点にありますが、買い手側が欲しいと思うような事業。すなわち売れやすい事業には特徴があります。

それは、その企業に技術があるかどうかという点です。

システム開発会社を例にすると、
・システム開発を外部に委託外注している
・自社でシステムを開発することがメイン

この2つを比較した場合には、後者の方が売却しやすい傾向があります。

買い手の視点に立った時に、その企業が持っている強みを感じられたり、買収後もその技術を長期的に利用することができるという点が揃っていれば買い手は見つかりやすいでしょう。

買い手の立場に立ってみて、価値があるかどうか?という点を考えて、それをいかにアピールするかという点が大切です。

また、買い手はその会社を買収した後のリスクはないか?という点も見ています。

例えば、買収時に未払い残業代が存在していた場合には、割安で買収ができたとしても、それらを処理しなくてはなりません。

結果として、コストが大きくかかってしまう事もあるので、そういったリスクがないか?という点を見られる事を考慮して、準備しておく必要があります。

労務関係や契約関係がクリーンであり、社内の制度がしっかり整えられているかという点を見直すことが肝心です。

まとめ:出口(EXIT)戦略とは?なぜ出口戦略が必要なのか?

時代の背景も関係して、これからはM&Aの出口戦略の必要性が増していくことが予想されます。

買収側と売却側の双方にメリットがあるので、ネガティブなものではないしM&Aの出口戦略によって資金を得ることができ、その資金を次の事業へ回すこともできます。

事業をされている方はもちろん、これから事業される方にとっても「出口戦略(EXIT)」を頭に入れておくことがいかに大切なことかお分かりになったかと思います。

この記事がお役に立つと幸いです。

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