どうも、ケイティです。
自分でこれから事業をやるにあたり、差別化が必須だとは頭ではわかっているが、自分の商品、サービス、業界では、どのように応用すべきか悩んでいないだろうか。
よく差別化には、3Cや4Pと言われてる手法(フレームワーク)から手をつけようする人がいるが、その前に確認すべきことがある。それは差別化には2種類あるという事だ。
●ひとつは、そもそも「競争しないで独占する」という事。
●もうひとつは、既に市場として存在する分野でビジネスをする場合。
今まで読んできた本や、今まで育ってきたバックグラウンドとなる環境によってもこの選択は全く別物になる。
起業家自身がどの視点で見て、どのレベルの会社を作りたいとかによってそのとるべき戦略は全く別物になるという事だ。
使い古された言葉でいうならば、ブルーオーシャンかレッドオーシャンかという事だろう。
時代を作る企業というのは、実際、レッドオーシャンの中で戦っている企業というのが非常に少なく、ほとんどの企業がブルーオーシャンで市場を自らが作っている。
逆を言えば、時代に並列している企業というのは、レッドオーシャンで戦っている企業が多いというのは日々の生活の中でも感じる事が出来る。
今回は、「競争しないで、独占する」という「ブルーオーシャンの話が2割。」「既に市場として存在する分野でビジネスをする場合の話が8割。」で解説しよう。
① 差別化が出来ている会社と出来てない会社の違い
まず、差別化が出来ていない会社や事業は、忙しくて儲からない。
儲からないから、給料も少ない、給料も少ないので、社員も幸せになれない。
もちろん社員の家族も幸せになれない。仕事は面白いかもしれない。
ところが仕事中毒になって、仕事のほかには人生がない。これが差別化のない会社の実態である。
ずばり差別化の出来ている会社は楽して儲かる。
中途半端な儲かり方ではない。勝ち組と負け組の二極化が進むなか、圧倒的に儲かるのである。
顧客を魅了する会社になっているからだ。売り込みにいかなくても、顧客が行列をなす。自動的に仕事が降ってくるから、毎月の資金繰りを心配することがない。
残業は少なく、給料は高い。差別化が出来ていると、短期間に業界地図を塗り替えられる。
存在もしなかった会社が、ライバル会社の気づかないうちに、業界トップになる方法、それを差別化というのだ。
② 差別化でよく言われる3C・4Pの本当の使い方
《4Pとは》
- Product(商品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(コミュニケーション)
もともと、差別化戦略は、マイケル・E・ポーターの競争戦略の1つとして、競争上の優位性を得ようとする行為として使われるようになったようだが、ここでは4Pを深く解説するつもりはない。
ただ、1つ言っておくと、4Pの前に3Pをやらないとそもそも4Pがズレるので注意。
《3Pとは》
- customer(顧客):自社の製品やサービスを利用する潜在顧客はどんな人なのか。顧客数や地域構成などの市場規模や、市場の将来性はどうなっていくのか。
- company(自社): 自社の売上高や市場シェア、ブランドイメージ、技術力はどれくらいのものなのか。自社の経営資源はどんな特性があって、どの程度の量があるのか。
- competitor(競合):競争相手はどんな商品(サービス)を提供できるのか。現在の競争状態はどうなっているのか。
つまり3Pを一度整理して明確にしたうえで、4Pの具体的な戦術に落としていくという事が本当の4Pの使い方だ。
③ そもそも差別化とは何か
他社より優位性を得ようとすることと、『競争の戦略』で有名なマイケル・E・ポーターは言っているが、その真意が重要だ。実際の世の中で圧倒的に他社と差別化ができる会社。
個人をあなたは何人知っていますか?また、何をもって競合よりも優位性があると言い切れるのでしょうか。
ここから具体的に他者(他社)と差別化をするための優位性とはどうやって作られていくのか。という事について紹介していきます。
まず、差別化をする上では、先程も出てきたように3Cの市場、競合、自社の3つを分解するところから始まる。
しかし、どの業界でもほとんどのものが簡単に真似することができます。
自社に出来る事は他社にもできる。しかし、真似できないものもある。それが、ブランドであり、ポジショニングだ。そしてあなただ。
例えば、最近街で見かける、パーソナルトレーニングのジム。これは、どうやって差別化しているだろう。
ここから4Pに少しふれるが、Product(商品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(コミュニケーション)をどうやって差別化を図ればいいのだろうか。料金を高単価にするのか。それとも激安にするのか。宣伝方法を独自のあるものにするのか。など、やろうと思えば資金さえあれば、すぐにできることばかりである。
なお、値上げを単に上げるという事だけをなんの準備もしていない会社がしたら、たちまち既存の顧客も離れる可能性があるだろう。表面上で真似るのは簡単かもしれないが、他者が真似しようと思ってすぐできるものというのは、もはや差別化ではない。
では、何をもって差別化というのだろう。
差別化の勘違い
よく言われるのが、差別化とは優位性ではなく、「違いを作る事」という勘違い。他社よりも優位に立つためには、この「違いを作る事」だといわれる人もいます。
しかし、そもそもあなたの事やあなたがやっている仕事や魅力を知らない人に、違いを説明しても、何がその業界のスタンダードで何が正しいのか。他とどこが違うとハッキリ断言できるのは、あなたの業界にいる人だけではないでしょうか。少なくても顧客ではありません。
前提条件として、あなたの業界の事が詳しく、たくさん比較しているような人でなければ、その違いは自己満足の「違い」なだけです。仮にすごく比較検討している顧客が居たとしても、その違いに気づいたところで、あなたの顧客になるとは限らない。
お客様は本当にあなたの会社に任せる事で、自分の今、抱えている問題や悩みが自分の想像を超えて満たしてくれる事を期待して選ぶわけです。
あなたが勝手に作った「違い」を他社と比較して選んでいるわけではありません。差別化とはブランディングだ。という意見もあるのです。
差別化とは、仮に100%他社との違いをあなたが作り出せていても、あなたやあなたの事業にそもそも魅力が無ければ、それは違いは伝わってるけど、だからと言ってあなたの顧客になりたいという感情とはリンクしてませんし、全く関係ありません。
違いを単に作りだすだけで顧客が大量に来るほど、世の中甘くありません。イメージしてください。日本で一番食べられているパンはメロンパンです。女性が大好きなスイーツNO1はチーズケーキです。そして女性が大好きな紅茶NO1は、ダージリンティーです。
全部ごちゃまぜにして他社との違いを作りました。売れるイメージが湧きますか? 笑
・・・そういう事です。
本題に戻ります。差別化とはあくまで「やり方」という概念でしか見てない限りは、差別化しようとして差別化を試みてもすぐに、他者も真似をしての繰り返しで負のスパイラルとなります。
(以前牛丼業界でこんな事がありましたよね?!)
この場合、だいたい生き残るのは資金力がある会社だけになります。
今これを読んでいるあなたが企業の方なのか、それとも個人なのかは関係なく、どちらにしろ、差別化は、会社や個人の魅力そのものがきちんと伝わっていて、あなたの扱っている、商品やサービスを選ぶとき、あなた以外の選択肢がそもそもないという心理状態を作ること。
これができれば、人は購入しようとしている、商品やサービスをそもそも比較をしないで決める。その証拠に家電量販店に行った時や本屋に行った時、あなたは商品を見るのと同時に、Amazonで価格を比較しないだろうか。
商品を購入する場合は、商品自体の価値を信頼しきっているため、あとは、価格がどれだけ安いのかという価格比較だけをする事になる。
④ 本当の差別化とは他社にそもそも比較させないこと
商品やサービスについての需要があれば、あなたへの需要よりも商品、サービスへの需要が多いということになる。
ういう事かというと、通常【商品】×【あなた】という構図がセールスには存在する。
それであれば、引っ越し比較や車や家具などと同じように、商品に当然比重を置くわけなので、【商品:9】×【あなた:1】あなたのキャラクターなんて顧客はどうだっていいのである。
好きなアイドルがいて、何枚も同じCDを買ったりするのは、【商品:10】×【販売員0】の構図が出来ているからであって、購入する人の中では。その商品以外には、あり得ないと思っているからでしょう。
それと同じです。Apple製品が大好きな人は、Apple以外の商品を購入しようと思わないのと同じです。そもそも比較するという発想がない。
⑤ 本当の差別化をやるために、最初にやるべき事
では、差別化できるポイントをどうやって探すのか。
まず、大切なことは、自分のサービス(商品)とあなた自身のどちらに比重があるのか。という点。
次は、その分解した【サービス(商品)】と【あなた】のどちらに比重が既にあるのか。
またはこれから事業をやる方や現在サラリーで働いていて、差別化を自社の商品でやっていくには、どうやっていくのがいいのか。を考えてみてください。当然両者にとって、メリット・デメリットは別れてきます。
商品の力が8割であなたの力が2割だとすれば、あなたでなくても当然売れる仕組みができる。
逆に言えば、商品依存なので、そこで働いている人は、他者をも圧倒するスキルにはなり辛いし、他に代用したスキルとしても希少性のあるスキルとしては言い難い。
しかし経営者でやる場合は、従業員の力に依存しないで、商品への依存で事業を回せる
人件費を抑える事ができ、採用するとしても人の能力の大小に依存したものでもないので、1度築きあげれば、そんなに簡単には崩れない。
接客業や通販事業などがそうだろう。
逆に営業力8割、商品力2割の商品、サービスの場合、雛人形や、羽毛布団、コンサルなどがその例だ。
一見「そんな商品売れるのか?」と思うような商品だ。そうすると、あなたが仮にスーパー営業マンだとしても、労働者としてはいいが、独立した後はというと、あなたの力に依存するので、人材教育が非常に大変だ。
そして、すぐに成果のでる人は、隙あらば自分で事業をやろうとするだろう。そして、そういう商品に限って、ほとんどの営業マンが最初は売れないため、すぐに離職するので、定着率が悪い。
つまり、採用コストはかかり、人材教育は難しい。なので組織の拡大がしにくいという事になる。
そう考えると、現状どこかの会社でトップの営業マンやコンサルタントで年収3000万円貰っていても「それで??」となるわけだ。なぜかというと、独立するにも、上記で説明した通り商品ではなく人の能力に依存する。
サラリーでやっていくにも、一旦稼げるフェーズに入り、派手にお金を使うと、金銭感覚が高年収の状態になり、もう年収を下げられない。
なので、その会社に依存するかその業界に依存することになる。なので独立しても同じ業界で同じような商品を扱う事になり、自分が在籍していたような会社を自らが作ろうとしてしまう。
こういう人結構多い。得に人材業界、不動産業に。
⑥ 差別化の本質
話を元に戻そう。
ビジネスの差別化とはつまり魅力が存分に伝わっていればいいのだが、最終的な本質は、顧客のためになっているのか?という事だ。
顧客は広告宣伝費をかけることを喜ぶだろうか?
顧客は、営業をかけられた時は嫌悪感を全面に出してくるが、最終的にそれでも納得して最後「ありがとう」と言われる事も確かにある。
しかし、約2割の従業員が売ってくれている利益の中で組織が回ってたら当然ながら、買ってくれる顧客がその人たちの給与は支払うわけだ。それは顧客のためにはならない。
顧客が真に望んでいることは、宣伝をすることでも、大量の営業マンを雇った会社ではなく、少ない時間と労力で自分のニーズを120%満たしてくれること。このスタンスを貫き通せば、顧客へのブランドイメージは出来上がるということである。
それをただ、やり方として差別化しようとしていても、ただのモノマネでしかない。
つまり、あなたは、今の商品、サービスをあなたが顧客だったら買うか?ということだ。これが100%「YES」と言い切れなければ、それは、仮に見よう見まねで差別化が出来ても、それは、時間とともに淘汰されるだろう。
結論は、あなた自身がその仕事が好きで好きで、その仕事で提供できる物、ノウハウ、コンテンツに絶対の自信を持っていて、これ以上の仕事など世の中にないと自己陶酔しきれるくらいの「LOVE」が必要になってくる。
それがなく、ただ、「売り上げをあげたい。利益を出したい、そのためには、差別化を」と思ってる時点で、差別化が一瞬できたように見えても、それは、小手先であり、非常に言葉は悪いが、小賢しくなる。
⑦ 差別化をするためにすぐに自問自答してほしい事
だからこそ、僕はその仕事をやる理由。「なんのために働くのか?」というのを大切にしてきている。
例えば、自分で事業をやる時に、当然、事業である程度、収益がでたら組織を作るわけだが。
採用する時の基準にもなる能力と理念(想い)への共感というのがある。
⑴能力も高く、理念に共感している人間
⑵能力は高いが、理念に共感していない人間
⑶能力は低いが、理念に共感している人間
⑷能力も低いし、理念にも共感していない人間
この中で一番取りたい人材は、どれだかわかるだろうか?
当然⑴だ。しかし、いきなりは、創業当時の会社でこんな人材は取れない。理念には共感しているが能力は低いか、能力も低いし、理念にも共感していない人間に人間教育として価値観教育をして出来上がってくる。
では一番取りたくない人材は?
⑷ではない。なぜかというと、⑷は理念にも共感していないかもしれないが、能力も低いので周囲に与える影響力も低い。なので、マイナスな事を社内で言ったところ特に影響はない。
一番取りたくないのは、⑵の能力は高いが、理念に共感していない人間だ。なぜなら能力は高いので、普通の人より成果をだす。すると発言権や説得力がその時点で普通の人とは違ってくる。
つまり⑷の逆で影響力が多いという事だ。こういう人間が社内にいると社内は乱される。
だからこそ、理念、その組織の存在理由が非常に大事になる。
その、存在理由である思いは経営者自身の価値観、人格、考え方、ビジネスセンス、感性からくる。
だからこそ、これが鉄壁で、顧客の事を本当に考えられ、他社と比較しているのではなく、「自分自身がされたら嬉しいか」という軸で考えており、その考えに共感した人で組織をやっていたら、当然、強い組織になる。そうなると、他社がいくらモノマネしてようがもうマネされない。というか出来ない。そして絶対に敵にしたくない。(笑)
本当に顧客に尽くそうとしている会社は、結果として、差別化が出来ているという状態になる。
そうすると必然と、そもそもライバルがいないという領域に達する。
つまり、事業を作る時には、その事業をやる事業目的がどういう動機から作られているかという事が大事になり必要になる。この事業目的にどれだけの想いを込める事ができるか。
これが、理念になるわけだ。そして、先ほどの図でも示したように、従業員、取引先、顧客と関わる全ての人の共感の総量でその会社の伸びは変わってくるということ。
⑧ 差別化の結論:競争しない独占する
結論は、既に魅力で溢れているが、まだそれが全部伝わっていない。か、魅力自体の不足だ。
冒頭に差別化の出来ている会社は楽して儲かるという表現をしたが、厳密には最初から顧客の事を考えている為、最初こそ、血眼になりながら、自分の扱う商品やサービス、ビジネスモデルを研磨し、業界、競合を徹底的に分析し吸収できることは吸収し、その上で、他社が追随出ない程の努力と実行を組織レベルでしている。
なので、結果として小手先の差別化に尽力しなくても根本がしっかりと出来ているから、楽して儲かるようになっているのだ。圧倒的に差別化している会社は、そもそもどこの会社とも競争していないのです。
Googleとヤフーは競合じゃないか?と外から見ててそう見えるかもしれませんが、競争をそもそもしていないのです。
差別化とは、社長自身やその事業を作る人がどこまで本気で四六時中、自分のサービス、商品、の事が好きで、それを社会に本気で広めようとしていて、その想いに共感した人間集団を作る事に全神経を注いでいるかという訳です。
おまけ
Paypal 共同創業者 Peter Thiel(ピーター・ティール) 氏はこう言っています。
「そもそも競争は負け犬がすることだ。」
- keity
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強烈!
「独占している会社は「独占している」とは決して口外しない」
- keity
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そりゃそうだよね。独占禁止法に触れるからね(笑)
それと、まだ誰もやっていない事業をやるのだったら完全なるブルーオーシャン。誰も築いていない、価値ある企業を作る。
しかし、ほとんどの事業が、既にどこかの会社がやっているマネでしかない。そのマネで事業をやるのが悪いと言っているのではない。この場合は徹底的に顧客満足度を中心にし、より研磨し、顧客に尽くすという視点から考えるという事でしょう。
そう!つまり、独占するつもりで事業を作るという事が結果、外から見た時に差別化がされていると言われるのである。ここまで深く掘るとお分かりいただけると思うが、そもそもその事業に参入する時には2つ入り口があるということだ。
① 誰もやっていない、価値ある事業、企業を作る。ブルーオーシャン
② 既にある産業でやるならモノマネをするのではなく、自分がされて嬉しいと思えることを本気で尽くせる事