どうも、ケイティです!
赤字決済なのに倒産しない企業がある一方で、黒字決済にもかかわらず倒産してしまう企業があるのはなぜか考えたことはあるでしょうか?
その答えは、売上と実際に手元にある資金にギャップが生じるからです。
いくら売り上げがあろうと、入金より先に支払いが早ければ手元の資金がなくなる、つまり資金ショートしてしまいます。
これを踏まえて、今回は「利益とキャッシュフロー」について解説していきます。
- ケイティ
-
「ステップ4では、利益とキャッシュフローの重要性を覚えてもらうと共に、キャッシュを生み出すポイントを確認していきます」
売上ばかりに目を向けていると行き詰まる
売上にのみ目を向けている会社は多いですが、それでは経営が行き詰ってしまうことにも成り兼ねません。
その売上を作るために、どの程度の経費や原価がかかっているのかも考慮する必要があります。
売上だけを見て社員を評価していると、本当の意味で会社に貢献している社員を判断できなくなってしまう可能性があります。
では、「本当の意味で会社に貢献している社員」はどのように判断すればいいのかと言うと、「貢献利益」を基準にするといいでしょう。
貢献利益は、「(売上-変動費)-直接固定費」で求められます。
そのサービスや事業がどれだけ会社に貢献しているかの度合いを計るための指標です。
つまり、売上が大きくても貢献利益が少ない社員より、売上が小さくても貢献利益が大きい社員の方が優秀と言えるのです。
これを基準に評価すれば本当に優秀な社員の評価ができるので、業績の向上につながります。
儲けるためにはどうすればいいのか?
事業を継続させるために必要なことを突き詰めれば、「儲けられるか」にかかってきます。
これは誰でも共通の認識でしょう。特に異論はないと思います。
そして儲けるためにどうするか?といえば、「売上げを上げる」「原価や経費を削減して利益を出す」と答える方が大半だと思います。
確かにこれは当然のことですし。間違っていません。
ただ、ここで忘れてはならないのが「利益がすぐに手元には来ない」ことです。
利益が出て取引先などから入金されるまでの間は、手元の資金が増えることありません。
例えば売上が好調の月があったとして、その売り上げが実際に入金されるのは翌月以降の入金予定日になります。
利益が発生してそれが手元に来るまでには、タイムラグが発生するのです。
これは出て行くお金にも言えることで、どれだけ仕入れなどで資金を使ったとしても、支払予定日までは手元の資金が減ることはありません。
要するに、損益計算書に書かれている数字と手元の資金は、リアルタイムで連動しているわけではないということです。
ここまで読んでお気づきの方も多いと思いますが、売上げばかりに目を向けていると行き詰ってしまいます。
どれほど売上があっても、手元の資金がショートする可能性があるためです。
では、本当の意味で儲けるとはどういうことなのか?その答えはシンプルで「いかにしてキャッシュを生み出すか」にかかってきます。
そしてこのキャッシュを生み出すためのポイントとして、
・収益率
・資本効率
・資本回転率
という3つのキーワードが重要になります。
それぞれの意味について、以下で見ていきましょう。
収益率を高めるにはどうすればいいのか?
先ほども解説したように、儲けるためにはキャッシュをいかに生み出すかが重要になってきます。
そしてそのために必要なポイントの1つ目が「収益率」です。
収益率について理解するために、以下のA社とB社を比較した例を見てみましょう。
この例を見て、どちらの会社が儲かっていると思うでしょうか?
A社 | B社 | |
売上高 | 10億円 | 1億円 |
売上総利益 | 3億円 | 4,000万円 |
経常利益 | 1,000万円 | 500万円 |
当期純利益 | 600万円 | 300万円 |
売上総利益率 | 30% | 40% |
売上高経常利益率 | 1% | 5% |
売上高当期純利益率 | 0.6% | 3% |
数字だけ見ると、A社の方が儲かっているように感じた方が多いと思います。
売上高や当期純利益といった数値は、A社のほうが確かに高いです。
しかし名前に「率」がつく欄を見てみると、全てB社の方が上回っています。
「より効率的に儲けている会社はどちらか?」という見方をすれば、B社のほうが優れていると言えるのです。
儲けようとするとついつい金額を見てしまいがちですが、注目するべきは「率」です。
「どれだけ儲けているか」ではなく、「どれだけ効率的に儲けているか」にフォーカスすることで、結果的により儲けることに繋がります。
少ない元手で儲けるにはどうすればいいのか?
少ない元手で儲けるにはどうすればいいのか?その答えは、「資本効率を高める」ことです。
資本効率はその名の通り、資本の運用効率を示す言葉です。
資本効率が高いほど、「少額の資本で多くの利益を生み出している会社」と言えます。
実際の資本効率は、会社の設立日や決算日の違いなどで比較しにくいですが、一例としてそれらが全く同じで自己資本のみが違う2社があったとします。
そしてその資本金を元に、それぞれ当期純利益1,000万円を出したとします。
A社 | B社 | |
自己資金 | 1億円 | 10億円 |
当期純利益 | 1,000万円 | 1,000万円 |
自己資本利益率(%) | 10% | 1% |
この場合、資本効率が高いのはA社です。B社の10倍の自己資本利益率を出していることになります。言い換えれば、「少ない元手で儲けている」とも言えるでしょう。
自己資本利益率はROE(Return On Equity)とも呼ばれ、株式投資の際に投資家がその会社を評価する指標としてもよく用いられます。
自己資本利益率を高めることは、多くの投資を集めるためにも有効な手立てとなるのです。
お金を早く回収するにはどうすればいいのか?
収益率、資本効率と続き、最後のキーワードとなるのが資本回転率です。
資本回転率とはいわゆるキャッシュフローのことで、一定期間における資本の回転速度を示した指標となります。
これは定期預金を例に考えると分かりやすく、例えば100万円の元手を金利2%で定期預金するとしましょう。
そして、預金先としてA銀行とB銀行の2択があったとします。
・A銀行=2ヶ月ごとの定期預金
・B銀行=2年の定期預金
※あくまでも例なので、複利や税金は考えないものとします。
このように定期預金の期間が異なる場合、資本回転率が高いのはA銀行です。
確かに2年後の満期に受け取る金利はどちらも同じですが、金利を受け取る回数はA銀行の方が圧倒的に多いからです。
A銀行 | B銀行 | |
定期預金元本 | 100万円 | 100万円 |
金利 | 2% | 2% |
2ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
4ヶ月語 | 3,333円 | 0円 |
6ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
8ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
10ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
12ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
14ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
16ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
18ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
20ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
22ヶ月後 | 3,333円 | 0円 |
24ヶ月後(2年後) | 3,333円 | 4万円 |
金利の合計 | 4万円 | 4万円 |
※A銀行の金利は小数点以下切り捨てで表記しています。
B銀行が2年で1回しか金利を受け取るタイミングがないのに対し、A銀行は12回も金利を受け取るタイミングがあります。
B銀行の場合は満期になるまで金利を運用できませんが、A銀行であれば2ヶ月ごとに金利を運用することが可能なのです。
この例では個人の定期預金レベルなので金額が少ないですが、企業の場合は数千万~数億単位の金額になることもあるため、毎月引き出せるかどうかの差はかなり大きなものとなります。
このように、最終的には同じ金利を受け取るとしても、資本回転率を高めることで資本の運用効率が改善するのです。
まとめ:大事なのは売上ではなく利益とキャッシュフロー!
売上も大事ではありますが、キャッシュをいかに生み出すかを模索し、資金ショートにならないようにキャッシュフローを管理することが大切です。
ポイントになる①収益率②資本効率③資本回転率この3点は大切なポイントになるのでしっかり押さえておきましょう。
- ケイティ
-
次回のステップ5では「儲かる会社に変えるにはどうすればいいのか?」のテーマでお伝えします。