特定商取引法とは?起業家が知っておくべき内容を事例と併せてご紹介! | ゼロワン研究所

2020.6.29

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特定商取引法とは?起業家が知っておくべき内容を事例と併せてご紹介!

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ビジネスモデル×仕組みづくり×マーケティングを得意とするケイティです。

商品を売る際、どういったルールが定められているんだろう?
クーリングオフ制度を漠然とは知っているけど、自分の業界にも当てはまるのだろうか?

ビジネスをするなら商品を売るのが大前提ですが、起業家でも特定商取引法に詳しくない方は多いかと思います。
「自分の業種は関係ない」と思っている方も一定数いるでしょう。

しかし、大手企業でも特定商取引法に違反することはあり、けっして他人事ではありません。
ビジネスをする以上、特定商取引法は最低限知っておかねばならないのです。

なぜ、ビジネスをする上で特定商取引法を知っておく必要があるかと言うと、悪意がなかったとしても知らぬ間に違反してしまう事もあり、思わぬところで足元をすくわれる事があるからです。

そこで今回は、特定商取引法の概念や該当する業態、実際に違反した実例について解説していきたいと思います。

特定商取引法とは?

取引類型

引用:消費者庁あなたの契約、大丈夫?よりhttps://www.caa.go.jp/publication/pamphlet/pdf/info_pamphlet_171115_0001.pdf

特定商取引法とは、事業者の違法、または悪質な勧誘を防止することで、消費者を守ろうとする法律です。
簡単に言えば、「取引を公正にするための法律」と言えるでしょう。

訪問販売や通信販売にクーリングオフ制度が定められていることをご存知の方は多いと思いますが、それも特定商取引法の1つです。

そして、訪問販売・通信販売・電話販売・連鎖販売・特定継続的役割提供・業務提供誘引などの販売を行う企業の経営者は必ず押さえておくべき法律で、所管は消費者庁になります。

特定商取引法を押さえておくべき業者とその所管について

前述もしましたが、販売に関わる事業と特定商取引法は関わり合いがありますので、販売に関する事業を行う場合は、事前に押さえておく必要があります。

特定商取引法が適用される可能性がある業者例を記載しますので、ご参考ください。

訪問販売を行う業者】:布団の訪問販売を行う業者・保険の訪問販売を行う業者・リフォームの訪問セールスを行う業者など

通信販売を行う業者】:返品方法について記載のない業者・通常価格を架空の高価表示にしている業者など

電話販売を行う業者】:通信関係の電話販売を行う業者・教育商材の電話販売を行う業者など

連鎖販売を行う業者】:健康食品系の連鎖販売を行う業者・副業系の連鎖販売を行う業者など

業務提供誘因を行う業者】:収入が得られるとしてツールの販売を行う業者・収入が得られるとして教材の販売を行う業者など

特定継続的役務提供に該当する業者】:エステティック業者・語学教育業者・学習塾など

もし、特定商取引法に違反しているとなった場合には消費者庁から指摘がはいる事は事前に覚えておきましょう。

特定商取引法で定められたルール

特定商取引法では以下のようなルールが定められており、違反すると業務停止命令が下る場合もあるので注意が必要です

基本的には、事業者や契約内容をはっきりと明示することと、消費者を騙したり強引に売りつけたりすることを禁止する内容となっています。

氏名・会社名の公表

当然といえば当然ですが、事業者の名前や商品名を公表しないで販売・勧誘するのは違反です。販売元の身元を明らかにする必要があります。

書面の発行

事業者は、契約の内容を記載した書面を消費者に発行しなければなりません。
書面に記載すべき内容(重要な事項)は、以下のような項目です。

・商品やサービスの詳細や価格
・支払いの方法や期限
・商品やサービスを提供する時期
・クーリングオフ制度の案内
・その他、契約担当者の氏名や契約申込日など

禁止事項

消費者を保護する観点から、特定商取引法では以下のような行為を禁止しています。

・消費者の不安を煽り、商品の購入を促す
・勧誘目的である旨を伝えずに自由に出入りできない場所に誘い込み、強引に勧誘する(同意しないと部屋から出さないなど)
・重要な事項(上記の書面に記載する内容)を伝えない、もしくは虚偽の事項を伝え、消費者を勧誘する
・消費者が契約に同意しない旨を伝えているにもかかわらず、強引に勧誘する
・正当な理由なく契約の履行を拒否、または遅延させる

その他にも、消費者に迷惑が及ぶような勧誘(つきまとうなど)や、一般的に考えて不必要と思われる分量の商品を契約させるなど、消費者に損害や負担を与えるような行為は禁止されています。

契約解除について(クーリング・オフ)

クーリングオフは、特定商取引法の中でも最も有名なルールでしょう。通常、消費者は8日以内であれば申し込みや契約を解除することができます

余談ですがクーリングオフ制度の語源は、文字通り「頭を冷やす」という意味です。
消費者都合のクーリングオフは通常8日ですが、事業者が重要な事項を故意に伝えなかったり虚偽の内容を伝えたりした場合は、

消費者が誤認であると気づいてから1年間
契約開始から5年間

契約を撤回することができます。
ちなみに、書面が発行されない、もしくは書面に間違いがあった場合、無期限でクーリングオフが可能となります。

取引形態ごとのクーリング・オフ期間について

実はクーリングオフはどの取引形態でも有効な訳ではありません。
例えば食品や化粧品など、消耗品(政令指定消耗品)を既に使用していた場合はクーリングオフの対象外です。

ただし、

事業者が消耗品を使った場合
「消耗品を使用した場合はクーリングオフが適用されない」という旨を契約書に記載していない
といった場合

はクーリングオフの対象となります。

また、クーリングオフの期間は業種によって異なります。それぞれの期間をまとめると、以下の通りです。

業態:クーリングオフできる期間
訪問販売: 8日間
電話勧誘販売: 8日間
連載販売取引(マルチ商法):20日間

業務停止命令

ここまでご紹介したルールに従わない場合や、禁止事項に触れるような行為があった場合、

・業務改善指示(法第56条)
・業務停止命令(法第57条)
・業務禁止命令(法第57条の2)

などの行政処分の対象となります。
また、行政処分とは別に損害賠償請求などの罰則を受ける場合もあるので注意が必要です

特定商取引法に注意すべき業種一覧

ケイティ

ここまで解説してきた特定商取引法ですが、具体的にどのような業種で注意すべきなのか疑問に思いませんか?

特定商取引法に特に注意すべき代表的な業種を以下にご紹介するので、ご自身の業態が当てはまるのか?参考にしてください。

訪問販売

いわゆる飛び込み営業です。訪問販売と言えば、家に訪問して商品やサービスを紹介するところを思い浮かべる方も多いでしょう。

基本的には事業者の営業所以外での契約は、訪問販売と呼ばれます。

ただし例外もあり、キャッチセールスやアポイントメントセールスも訪問販売に含まれます。契約自体は営業所で行っていても、消費者を勧誘してきたのは営業所の外だからです。

キャッチセールスは、「アンケートに答えてほしい」などと路上で声をかけて消費者をキャッチし、営業所や喫茶店まで同行させて契約を交わす商法。

アポイントメントメントセールスは、電話やSNSを通じて「当選しました」などと伝えて消費者を営業所まで呼び出す商法です。

通信販売

雑誌やテレビ、ネットなどに広告を出し、それを見た消費者が電話やメールなどで商品やサービスの申し込みをする商法です。
ネットで商品を売っている経営者の方は多いと思いますが、当てはまる方は特定商取引法が深く関わっていることを覚えておきましょう。

電話勧誘販売

いわゆる電話営業です。訪問販売の電話版とも言えるでしょう。
子供用教材や健康食品などを電話で営業するなど、こういった業種の方が当てはまります。

契約の勧誘が目的である旨を伝えないと特定商取引法に触れるので、注意してください。

連鎖販売取引

俗に言うマルチ商法です。マルチ商法と聞くとそれ自体が違法のように感じられるかもしれませんが、行政規制の範囲内で行う分には違法ではありません。

もしこの業種に当てはまる方は、特定商取引法に触れないか、特に慎重になる必要があります。

特定継続的役務提供

知識やスキルの向上、身体の美化など、そういった役務を提供するために継続的かつ高額な取引を行う商法のことです。エステや英会話教室などがこの業種に当てはまります。

なお、特定継続的役務提供に当てはまる業種は以下の7つに定められており、なおかつ契約期間や金額も決まっています。

特定継続的役務 契約期間 金額
エステサロン 1ヶ月を超えるもの 5万円を超えるもの
美容医療
語学教室 2ヶ月を超えるもの
家庭教師
パソコン教室
婚活サービス

業務提供誘引販売取引

あまり聞きなれない業種ですが、簡単に言うと「仕事を斡旋するので、仕事に必要な道具を買ってください」という商法です。

例えば、在宅ワークを紹介し、それに必要な画像編集ソフトを販売するなどが該当します。
思いがけず業務提供誘引販売取引に該当している業種もあるので、自分の会社が該当しないか、よく調査してみてください。

訪問購入

訪問販売が商品やサービスを売りに行くのに対し、訪問購入は営業所以外の場所で商品を購入する商法を言います。

分かりやすく言うと、出張買取サービスのことです。消費者の自宅まで行って商品を買い取った場合、訪問購入に該当します。

特定商取引法で処分を受けた会社の実例

最後に、特定商取引法で処分を受けた会社の実例をご紹介します。
どのような状況、どのような内容が処分対象となるのか、1つの参考にしてください。

1.事業概要
株式会社イーエムアイ(以下「同社」という。)は、消費者宅に電話をかけ、 当該電話において、電気の小売供給役務(以下「本件役務」という。)を有償 で提供する契約(以下「本件役務提供契約」という。)の締結についての勧誘 (以下「電話勧誘行為」という。)を行い、当該消費者(以下「電話勧誘顧客」 という。)と本件役務提供契約を電話により締結していることから、このよう な同社が行う本件役務の提供は特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」 という。)第 2 条第 3 項に規定する電話勧誘販売(以下「電話勧誘販売」とい う。)に該当する。
なお、同社は、電話勧誘顧客に対し、複数回電話をかけて一連の電話勧誘行為 をしており、遅くとも最後にかけた電話までの間に本件役務提供契約を締結し ている。

2.処分の内容
(1)業務停止命令
同社は、令和 2 年 4 月 28 日から令和 3 年 1 月 27 日までの間、電話勧誘販 売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
ア 同社の行う電話勧誘販売に関する役務提供契約の締結について勧誘すること。
イ 同社の行う電話勧誘販売に関する役務提供契約の申込みを受けること。
ウ 同社の行う電話勧誘販売に関する役務提供契約を締結すること。
出典:https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_transaction_cms203_200428_01.pdf

まとめ:特定商取引法とは?起業家が知っておくべき内容を事例と併せてご紹介!

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※専門性の高い記事になりますので、ライターである佐藤がこの記事を作成致しました。

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