【税法】全ての事業者が知っておくべき税金のあれこれ | ゼロワン研究所

2020.6.29

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【税法】全ての事業者が知っておくべき税金のあれこれ

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ビジネスモデル×仕組みづくり×マーケティングを得意とするケイティです。

「税金には複雑なルールがあるけど、詳しく分かっていない…」
「できるだけ節税したいけど、脱税と節税の境目が分からない…」

ケイティ

税法について一通り知っておけば、こういった疑問は解決しますよ。

税法の中でも大切になるのが、以下の3点です。

脱税と節税の違いは合法の範囲かどうか
経営者が押さえておくべき税法は法人税に関する知識がメイン
法人が節税で使えるのは、「青色申告」「税制優遇制度」「所得控除」「税額控除」の4つ

ぼくは多くの新規事業立ち上げに携わっているのですが、その中で節税に関してもアドバイスをしています。
ですので、内容の濃い情報を提供できると自負しています。

税法を押さえておくべき人と税法の所管について

事業を行う場合は、法人・個人事業問わず経営者の方は税法を押さえておく必要があります。
その理由は、税法違反によって刑事罰となる可能性があるだけでなく、広まれば社会的信用が著しく低下するためです

最近では、人気漫画「鬼滅の刃」のアニメ制作会社が脱税で告発されましたが、税法を守らない事によってどのような悪影響が及ぶのかは、細かく説明せずとも何となくお分かりになるでしょう。

違反する事で、具体的にどのような状況になってしまうかは読み進めていただければと思います。

所管は国税庁になりますので、税法を知らない事で足元をすくわれるという事態にならない為にも、適宜国税庁の動向を追うようにしましょう。

すべての事業者が押さえておくべき「税法」とは

1.我が国の租税の構造 1.我が国の租税体系. 租税は、種々の観点から分類され、約50種類あります。 それぞれの税が他の税の短所を補い、補完し合いながら体系をなしています。

引用:大学生向け講義用テキスト税法を中心に:日本税理士会連合会

「税」は数にすると約40種類以上にも及び、それぞれに法律を定めています。そして、「何に対して」「どこが徴収し」「誰がどのように納める」と、大きく3つに分類できるのもポイントです。

  所得課税 消費課税 資産課税等
国税 所得税、法人税、地方法人特別税、復興特別所得税、地方法人税 消費税、たばこ税、たばこ特別税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、自動車重量税、航空機燃料税、石油石炭税、電源開発足進税、国際観光旅客税、関税、とん税、特別とん税 相続・贈与税、登録免許税、印紙税
地方税 住民税、事業税 地方消費税、地方たばこ税、ゴルフ場利用税、自動車取得税、軽油引取税、自動車税、軽自動車税、鉱区税、狩猟税、鉱産税、入湯税 不動産所得税、固定資産税、都市計画税、事業所税、水利地益税、共同施設税、宅地開発税、特別土地保有税、法定外普通税、法定外目的税、国民健康保険税

税負担の対象違い

どのような物に税金が発生するのか、税負担の対象として「所得課税」「消費課税」「資産課税等」の大きく3つに分類できます。

所得課税=所得・利益を対象としている税
消費課税=物品・サービスの消費等を対象としている税
資産課税等=資産の取得・保有等を対象としている税

課税主体の違い

どこが税の徴収をしているのか、課税主体として「国税」「地方税」の大きく2つに分類できます。

国税=国が税金を徴収している
地方税=地方自治体が税を徴収している

実質負担者・納税義務者の違い

誰が税金を負担して誰が税金を納めるのか、実質負担者・納税義務者として「直接税」「間接税」の大きく2つに分類できます。

直接税=税金を負担する「実質負担者」と税金を納める「納税義務者」が同じ
間接税=税金を負担する「実質負担者」と税金を納める「納税義務者」が異なる

法人税を例えに出すと、会社が自身の税金を申告して納めているため「直接税」です。対して「間接税」は、消費税を例に挙げると分かりやすいでしょう。

実質負担者は、物を購入したりサービスを受けたりする消費者。税を納める人(=納税義務者)は、物を販売したりサービスを提供したりする事業者のことです。

節税・租税回避・脱税の違い

言うまでもなく、税金を納めることはとても重要な行為です。ところが税負担は重く、軽視できるものではありません。そんな中「少しでも税負担を軽くできたら…」と考え、節税に力を入れている経営者さんも多いと思います。

ただし、大胆かつ過度な行為にでると、節税は思わぬ「脱税」つながることがあります。まさかの事態に陥らないためにも、「節税」とは何か、租税回避・脱税との違いも合わせて、それぞれの特徴を確認しましょう!

  特徴
節税 合理的に税負担を抑える 所得を抑えるために、経費で落とせるものを見直す
脱税 違法な方法で、意図的に税負担を抑える 売上の過少申告、経費の水増し、期末在庫の減少など
租税回避 税法が想定していない方法で税負担を抑える 税率の低い地域にお金を移動する

課税逃れ・所得隠し・申告漏れの違い

脱税と似たような言葉で、課税逃れ・所得隠し・申告漏れがあります。どういう行為を指しているのか、それぞれの内容を確認しましょう。

  特徴
課税逃れ 脱税と比べて、悪質性や税逃れの金額が低いときに用いる言葉 違法と知りながら、税金の支払いを意図的に少なくする
所得隠し
申告漏れ 悪意のないミス 知らずに計上できない経費を間違って計上してしまった

脱税のペナルティ

脱税や申告漏れの疑惑があると、任意の税務調査が実施されます。税務調査は、疑惑が本当であるかどうかを調べ、正しい税金の徴収を再度行うのが目的です。

そのため、税務調査が開始したからといって、すぐに逮捕という状況に陥ることはありません。追徴課税を含んだ正しい金額を納めれば、刑事責任を問われないのが通常の過程なのです。

では、どのようなケースで逮捕にまで至るペナルティが発生するのか、具体的な要件と罰則を確認してみましょう。

逮捕の対象となる要件

虚偽の申告や、法に触れる不正行為をする
税金の支払いを意図的に逃れる他、所得税還付を受け取る
など

逮捕後の罰則

「所得税法 第二百三十八条」「法人税法 第百五十九条」「消費税法 第六十四条」を参照すると、基本的には「10年以下の懲役または、1,000万円以下の罰金、又はこれを併科する」と記載しています。

これらの他にも、どのような法を違反するのかによって内容も変わり、深刻な状況であるほどペナルティは重くなります。

税制の種類と節税方法

個人事業主とは異なり中小企業や法人の場合は、主な税として「法人税」があります。

その他にも複数の税金を負担しなければなりませんが、住民税や事業税は法人税の負担額によって変動します。これは、節税するにあたって見逃せないポイントです。

押さえておきたい税金の種類

経営者が押さえておきたい、主な税金は下記表にある13つです。ただし、必ずしも「すべての税負担が必要」というわけではありません。状況によって負担する税の種類は異なりますので注意してください。

法人税 【概要】法人の所得(税金計算上の利益)に課税

・年間800万円以下の所得で15%

・年間800万円以上の所得で23.4%

【方法】自身で申告・納税

【対象】資本金1億円以下の中小法人

法人住民税 【概要】資本金と従業員数に応じて課税(※自治体によって異なる)

【方法】自治体から通知

【対象】非営利法人ではない、収益事業を営んでいる、法人活動を休業していない

法人事業税 【概要】所得に対して課税

【方法】都道府県税事務所から通知

【対象】所得が赤字ではない

地方法人税 【概要】法人税額(法人の所得に対する税額)に対して課税

【方法】都道府県税事務所から通知

【対象】法人税額を納付している

消費税 【概要】売上で受け取った消費税と仕入や経費で支払った消費税の差額に課税

【方法】自身で申告・納税

【対象】前々年度の課税売上高が1,000万超の場合

印紙税 【概要】収入印紙の購入額

【方法】購入時

【対象】収入印紙を購入する

登録免許税 【概要】評価額に対して課税

【方法】登録時

【対象】法人に関する商業登記や不動産登記する

所得税 【概要】法人が受け取る利息や配当に課税

【方法】自身で申告・納税

【対象】一定の所得がある人

固定資産税 【概要】毎年1月1日を基準に課税

【方法】市区町村から通知

【対象】建物、機械などの固定資産を保有している

自動車税 【概要】自動車の種別や用途などに応じて課税

【方法】都道府県税事務所から通知

【対象】自動車の所有者

自動車重量税 【概要】車検の交付や返付などを受ける際に課税

【方法】自動車業者が代行

【対象】車検の交付や返付などを受ける

自動車取得税 【概要】自動車の取得時に課税

【方法】購入時

【対象】自動車の取得者

軽自動車税 【概要】4月1日現在の保有者に対して、一定額を課税

【方法】市区町村から通知

【対象】軽自動車やオートバイの所有者

節税の方法

中小企業や法人の節税対策について、4つの方法をピックアップしています。

青色申告 【青色申告特別控除】最大65万円を削減できる

【青色事業専従者給与】家族に払った給料を経費計上できる

【純損失の繰越し】赤字分を翌年以降3年間へ繰り越し、もしくは前年に繰り戻しできる

税制優遇制度 30万円未満の資産を全額経費に計上できる

設備投資をすれば所得控除や税額控除を受けることが可能

所得控除 割増償却または特別償却で計算した金額を計上できる
税額控除 ・【経営力向上計画「認定済」】…取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)を税額控除

・【経営力向上計画「未認定」】…資本金が3,000万円以下であれば7%の税額控除

税法違反を犯した実例

最後に、実際にあった税法違反の実例をご紹介します。

実例①

消費税課税事業者が、架空の無形資産(事業に係るノウハウ)を高額で仕入れたように装い、約100億円の消費税の還付を受けようとして申告書を提出していた。しかしこの不正に税務署長が気づき還付留保された。

実例②

「外国為替証拠金取引(FX取引)を行っていたものが10億円の運用益を全く申告しなかった。」

②の不正事例は知らずにやってしまう可能性のある行為かもしれませんが、犯罪になる行為です。これらの事例の発生を受けて、平成23年度の租税罰則改正により「故意の申告書不提出による脱犯」および「消費税の不正受還付罪の未遂罪」が創設されました。

出典:税務調査対応の基礎知識:さきがけ税理士法人

まとめ:【税法】全ての事業者が知っておくべき税金のあれこれ

脱税は絶対にしてはいけません。
しかし、会社の経営状況を保つには税負担を軽くする節税は必要です。

税金に関しての基本的な知識は押さえておくといいでしょう。
会社の利益を確保するためにも効果的な節税に取り組んでください。

※専門性の高い記事になりますので、ライターである佐藤がこの記事を作成をしました。

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